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2015年6月26日 (金)

土佐弁と幡多弁は ちょっと違うがよ・・

垣根 涼介さんの『月は怒らない』(集英社文庫)を読んだ。

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金にも物にも執着せず 相手に何も期待しない・・そんな無機質で達観したように見える町の市役所で働く25歳の恭子。

そんな彼女に謎を感じつつも、次第に恭子とのつながりを深めてゆく3人のロクデナシの男たち・・裏街道を歩く梶原、大学生の弘樹、警察官の和田。

そしてもう一人、記憶を失いかけている元大学教授も登場する。

そんな人たちの生き様を描いた小説だが、物語の始めの頃に、ロクデナシ大学生の広樹が少年の頃に、両親から離れて父方の祖父の家で過ごした回想の場面で、思いがけなく 私の生まれ育った田舎の町が登場したのには驚いた。


《祖父の家は、高知県の西にある中村という田舎町だった。
四万十川、という日本随一の清流と言われている大河がある。
中村は、その太平洋の河口に拓けた、人口3万5千人程度の小さな町だ。
五百年ほど前に、一条家という公卿一族が戦乱の京を逃れてやって来て、この河口に町を拓いた。
京を模して、碁盤状の町並みを築いた。
だから今でも〈土佐の小京都〉と呼ばれている。
十三歳になった秋、高知空港で飛行機を降りた。
親に連れられてではなく、一人でやってきた。
高知からJRの特急に乗り込み、延々と左手に太平洋を眺めながら、二時間近くかけて終着の中村駅に着いた。
うェー、特急でも二時間かよ、と思ったことを、今でも鮮明に覚えている。
駅のロータリーに迎えに来ていた祖父は、ごく普通の田舎の人で、前歯の欠けた口を開けてニコニコしながら近寄ってきた。》

・・・そんな文章が続いている。


ちょっと余計なことながら・・

東京に出て、大学生になった広樹が今でもピンチになった時、じーちゃんの言葉を思い出す場面があるが、じーちゃんが喋る言葉は坂本の龍馬さんが喋る方言のイメージそのままの、俗に言う土佐弁なんやろうけど、でもそれは あくまでも高知県中央部辺りの方言であって、同じ高知県でも我が故郷・中村など西部地区で使われる幡多弁は、土佐弁とは微妙に異なっているわけで、細かいようやけど、そこの辺りが少し残念なところではあった。

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